ドラマ【テセウスの船】で描かれている31年前に起きた連続毒物混入事件!
事件が起きた場所は宮城県の音臼村にある音臼小学校。
この物語は同名漫画が原作となっています。
原作では事件が起きたのは北海道にある音臼村という設定になっていますが、ドラマではなぜか宮城県に変更されていますね。
そんな物語の舞台となっている音臼村は本当にあるのでしょうか?
この記事では音臼村が実在しているのか、またモデルになった村は存在しているかについて考察しています。
目次
【テセウスの船】音臼村は実在する?
▼こちらが現在北海道にある村の一覧です。
- 新篠津村:しんしのつむら
- 島牧村:しままきむら
- 真狩村:まっかりむら
- 留寿都村:るすつむら
- 泊村:とまりむら
- 神恵内村:かもえないむら
- 占冠村:しむかっぷむら
- 音威子府村:おといねっぷむら
- 初山別村:しょさんべつむら
- 猿払村:さるふつむら
- 西興部村:にしおこっぺむら
- 中札内村:なかさつないむら
- 更別村:さらべつむら
- 鶴居村:つるいむら
調べてみると全部で14の村がありますが、この中に音臼村は存在していません。
もしかしたら昔存在していた可能性もあるので、廃止になった村も調べてみました。
▼こちらが廃止になった村の一覧です。
- 落部村:おとしべむら
- 椴法華村:とどっほっけむら
- 厚田村:あつたむら
- 浜益村:はまますむら
- 白滝村:しらたきむら
- 忠類村:ちゅうるいむら
- 大滝村:おおたきむら
- 北村:きたむら
- 洞爺村:とうやむら
- 東藻琴村:ひがしもことむら
他にも10の村が存在していましたが、こちらにも音臼村は存在していませんでした。
それにしても北海道にある村は読みがなをつけないと読めない漢字ばかりですね^^;
以上のことから【テセウスの船】の舞台である音臼村は実在しないことがわかりました。
【テセウスの船】音臼村は作者が考えたオリジナルの地名?
北海道に音臼村は存在していませんが、「音」と「臼」がつく地名が北海道にあるのかどうかについても調べてみました。
北海道にある「音」がつく地名
北海道にある「音」がつく地名は以下のとおりです。
- 音更町(おとふけちょう)
- 音江町(おとえちょう)
- 音標(おとしべ)
- 音羽町(おとわちょう)
- 音別町(おんべつちょう)
- 上音標(かみおとしべ)
- 下音更(しもおとふけ)
- 東音更(ひがしおとふけ)
- 音調津(おしらべつ)
- 音根内(おんねない)
- 上音更(かみおとふけ)
- 中音更(なかおとふけ)
- 音威子府村(おといねっぷむら)
北海道にある「臼」がつく地名
北海道にある「臼」がつく地名は以下のとおりです。
- 臼尻町(うすじりちょう)
- 臼谷(うすや)
- 浦臼(うらうす)
- 杵臼(きなうす:夕張郡/きねうす:浦河郡)
- 上杵臼(かみきねうす)
- 矢臼別(やうすべつ)
- 山臼(やまうす)
こうやって調べてみると北海道には「音」や「臼」という地名が多数存在していることがわかりますね。
【テセウスの船】の作者東元俊哉(ひがしもととしや)さんは北海道の出身です。
この物語の舞台を北海道にしたのも出身地が多少なりとも影響しているのかもしれません。
音臼村という名前を付けたのは、おそらく故郷にちなんだ名前を付けたかったからではないかと推測します。
「音」と「臼」は調べてみてわかるように北海道の地名にもよく使われているので、北海道らしくて物語のイメージにあったものだったのでしょう。
https://yukinko567.com/2019/11/28/teseusu-hannin-mikio/
【テセウスの船】音臼村のモデルは存在する?
主人公田村心(竹内涼真)がタイムスリップした1989年の頃の音臼村には、まだ1200人ほど生活していました。
しかしこの村は既に廃村となり、31年後の2020年にはダムで沈んでしまうことに。
そこで実際北海道でダム建設によって沈んでしまった集落がないのか調べてみました。
▼こちらがダム建設で沈んでしまった集落の一覧です。
金山ダム | 南富良野町鹿越 |
---|---|
温根別ダム | 士別市伊文 |
岩尾内ダム | 士別市朝日町似峡 |
忠別ダム | 美瑛町忠別 |
中幌ダム | 留萌市中幌糠 |
小平ダム | 小平町滝下 |
滝里ダム | 芦別市滝里町 |
夕張シューパロダム | 夕張市鹿島地区(大夕張) |
8つのダム建設によって8つの集落が水没してしまったわけですが、その中でも特に【テセウスの船】の舞台音臼村のモデルに近いと推測される2つの集落があります。
士別市朝日町似峡
▼こちらが岩尾内ダム(岩尾湖)です。
岩尾内ダム(岩尾内湖)です。 pic.twitter.com/dwWVdNboMa
— t-kyosen (@saro61D) June 18, 2017
この湖の底にはかつて士別市朝日町にあった似峡(にさま)という集落が存在していました。
この場所は特に農業や林業が盛んで当時は800人ほど住んでいました。
学校や診療所や郵便局はもちろんのこと交番や映画館まであり、この集落には住人が何不自由なく生活する環境が全て整っていたようです。
しかし、この地域の水源であった天塩川(てしおがわ)はたびたび洪水被害を起こし、住民たちを悩ませていました。
その後水田開発が発展したり人口増加に伴って天塩川の水の需要が高まったことも決め手となり、ついにダム建設計画が現実のものとなります。
しかし、この地域は栄えていたこともありそれなりに反発した住民も多かったようですが、最終的には172世帯が集落から立ち退くことになりました。
▼こちらが士別市朝日町似峡の跡地です。
【ブログ更新】士別市朝日町似峡 http://t.co/nDHiXfSEho pic.twitter.com/V0HmygYpZo
— 成瀬健太 (@k_naruse) March 8, 2014
音臼村よりも人口は少ないですが、学校や診療所や交番があるところなど町の雰囲気がよく似ている気がします。
芦別市滝里町
▼こちらが滝里ダム(滝里湖)です。
滝里ダムなう pic.twitter.com/fUfZAgYpDW
— れん (@renn_7385) August 19, 2017
この湖の底にはかつて栄えていた滝里町がありました。
しかもこの町には駅があって列車も走っていたようで、名作「北の国から’89 帰郷」のロケ地としても使用されました。
根室本線にあった「滝里駅」
現在は湖の底ですね。
撮影・訪問:1980年 pic.twitter.com/nPqYzSgw77— てる (@0001_yoko) June 29, 2019
駅は1991年10月22日に廃駅となります。
まさか駅が湖の底に沈んでいるなんて信じられないですよね。
駅前通りは商店街などで賑わい、郵便局や小学校中学校もありました。
しかし、石狩川の洪水被害や空知川地域の人口増加などが理由でその後ダム開発が進められることになります。
音臼村には駅もあることから、この集落をモデルにした可能性も高いのではないでしょうか。
まとめ
以上、ドラマ【テセウスの船】の舞台となっている音臼村が実在しているか、そのモデルは存在しているかについて調べたことをお伝えしました。
音臼村は実在していませんでしたが、北海道には「音」や「臼」の付く地名が多く存在し、作者はそれをヒントに地名を付けたのではないかと予測します。
作者自身も北海道出身者で物語も北海道を舞台にしているので、北海道らしい自然っぽい地名をつけたかったんじゃないでしょうか。
音臼村は事件から31年後ダムに沈められてしまう運命です。
実際調べてみると北海道には既に水没してしまった集落が多数存在。
その中でもかつての士別市朝日町似峡と芦別市滝里町は音臼村の雰囲気に非常に近いものを感じました。