2019年後期朝の連続ドラマ小説【スカーレット】は女性陶芸家の波乱万丈な人生を描いた物語です。
実在する陶芸家神山清子さんの半生を元に、様々なオリジナル要素を加えて作られた作品。
ヒロインには人気女優の戸田恵梨香さんを迎え、彼女を取り巻く家族や友人などもベテランから若手の実力派が勢揃い。
原作のないオリジナル作品ということで、最終回結末までどんな展開が待ち受けているか気になりますよね。
そして気になるといえば、このタイトル名。
いったいスカーレットという名前にはどういう意味が込められているのでしょうか?
そこでこのドラマ名にもなっているスカーレットの名前の由来について迫ってみました!
スカーレット【朝ドラ】の由来とは?
この物語のヒロインの名前は川原喜美子。
それなのになぜスカーレット?
スカーレットいうタイトル名には緋色(ひいろ)という意味が込められています。
緋色とは陶芸作品に表れる黄色味のある鮮やかな赤色を指します。
こっちはモジャモジャとぐねぐね、
穴窯で焼いた陶器です。
灰に含まれる珪素が熱で溶けて緋色になりました。 pic.twitter.com/MIIHmzzuBo— akari.h (@a_klimt) October 30, 2017
あまり聞き慣れない色ですが陶芸作品にこの色が表れることでより深みが生まれ、理想の色のひとつともいわれているそうです。
そしてヒロインが演じる陶芸家とは窯の中の炎を上手くコントロールして、作品に好みの色や質感を出すというシビアなお仕事。
窯の温度は一般的には1500℃くらいまで温度が上がると言われています。
糸魚川、根知地区の季節の風物詩を見学してきました。雪割窯さんの穴窯、5日ぶっ通しで炎を操る姿はスゴかった。#糸魚川 #穴窯 #雪割窯 #陶芸 #根知 pic.twitter.com/QUc3pWefpN
— RYU@いといがわ (@ryu0615) May 16, 2018
つまりスカーレットという作品名にはヒロイン川原喜美子(戸田恵梨香)がこの燃え盛る炎のように情熱的な人生を送るという意味合いが込められているのです。
確かにこの作品のモデルになった神山清子さんという方は激動の人生を歩んできた方なので、この名前はこの作品を表すのにはぴったしかも。
少し話は逸れますが名作【風と共に去りぬ】のヒロインスカーレットも、実はそういう意味が込められていたのかもしれませんね。
モデルの陶芸家神山清子の半生とは?
ドラマ【スカーレット】はオリジナル作品ですが、神山清子(こうやまきよこ)さんという実在する陶芸家の半生を参考に作られた物語です。
この方は女性陶芸家の先駆者とも言われ、現在83歳で今年の夏は草津で個展も開催されています。
『スカーレット』のモデル、神山清子さんと息子さんの親子展を拝見しに参りました。 pic.twitter.com/fqJrTtxQ0Q
— もえりか@ IRF2019⚡2DAYS☀️✨ (@petiturbo) August 22, 2019
神山さんは幼い頃から絵を描くのが好きで、将来は絵を描く仕事をしたいと強く願っていたそうです。
ちょうど地元で信楽焼の絵付け師の仕事があったので、師匠に弟子入りを頼もうとしますが女性は受け入れてもらえません。
信楽焼(しがらきやき)とは滋賀県甲府市信楽を中心に作られる陶器で、よくお店の前でみかけるたぬきの置物も実は信楽焼のひとつなんです。
信楽焼(滋賀)
日本古六窯の一つ。有名な狸の置物は信楽焼である。狸の置物を店先に置く由来は「他を抜く」に通じることから。炻器ではあるが、多種多様な釉薬が開発されている。pic.twitter.com/hIXcuYXqJl— 焼き物bot (@Yakimono__bot) August 19, 2019
努力の末認めてもらい1年ほど修行しますが師匠とソリが合わず、火鉢などを作っている【近江化学陶器】という陶器製造会社に就職します。
そこで出会った男性と結婚し二人の子供を授かりますが、生活は決して裕福ではありませんでした。
会社に入って10年経つと電化製品の普及で経営が傾き始めたため、彼女は退職を決意。
これが転機となり本格的に新楽焼きでの作品作りに打ち込み、女性陶芸家として人生をスタートさせたのでした。
そして夫と協力し自分たちの窯を作り、本格的に焼き物作りを始めます。
しかし、当時女性が窯に入ることは決して世間の目にはよく映らなかったのです。
仕事に妥協を許さなかった彼女は次第に夫とも関係が上手くいかなくなり離婚。
ますます仕事にのめり込み、その後努力の末に古代の信楽焼きの再現に成功し、信楽自然釉(しんらくしぜんゆう)と命名。
信楽の土・滋賀の雑木で焼いた湯呑み。薪の灰が、自然の釉になって模様を作ります。http://t.co/z4Am8lDJXn
【信楽自然釉 焼〆湯呑み】 pic.twitter.com/1CdHWoVDAX— iichi (いいち) (@iichi_Japan) May 21, 2015
そして一躍彼女の名は全国区となります。
全てが順風満帆にいっているように思えましたが、長男賢一が29歳のときに白血病を発症。
これがきっかけで彼女は骨髄バンク設立運動を精力的に開始することに。
そして努力が実を結び、ついに1991年12月骨髄バンクが設立。
しかし、息子は骨髄移植で一時は回復したものの、再発し結局帰らぬ人に……。
亡くなる前に息子は母に「子守歌を歌って」と頼んだエピソードは、その後出版された本のタイトルにもなっています。
『母さん 子守歌うたって 寸越窯・いのちの記録』(那須田稔、岸川悦子・著/ひくまの出版)#スカーレット 主人公 #戸田恵梨香 演じる #川原喜美子 のモデルと言われる #神山清子 さんの半生記。#田中裕子 主演 #映画 #火火 の原作。#本 #book #信楽焼 #陶芸 #白血病https://t.co/DWbGdvNAjG pic.twitter.com/2REJjJNFRI
— nihonkamoshika (@5230882) February 2, 2020
息子が失くなった後も陶芸の制作活動を続けながら、現在も「滋賀骨髄献血の和を広げる会」の代表者として骨髄バンクの普及活動を精力的に行っているそうです。
スカーレットのモデル神山清子の半生は既に映画化?
実は女性陶芸家神山清子さんの半生は既に映画化されています。
その作品が2005年に公開された【火火】という作品!
スカーレットと同じく神山清子をモデルにした映画「火火」。こちらは息子の過酷すぎる闘病生活、共に闘う母、骨髄バンク発足の過程などが描かれる。NHKで放送してくれないかな#スカーレット pic.twitter.com/ASjBzljRl1
— ヤマユキ (@yamayuki60) March 27, 2020
主演を務めたのは女優の田中裕子さん。
田中さんが演じているというだけで、すごい作品なんだろうと容易に想像がつきますよね。
実際にこの作品を見た方の反応はこちら!
窪塚俊介、『火火』で白血病になり闘病の苦しさに弱音を吐くと、田中裕子演ずる母ちゃんから「戦う前から降参か!」ってボコボコにされるシーンが非常に良かった…(それは田中裕子が良かったってコトじゃないか?とか言っちゃダメ)
— 坂本賢次(マトモ亭) (@matomotei) April 13, 2017
「火火」を観る。間違いなく今年観た映画の中の一番。田中裕子はもちろん、俳優たちの力の入った演技、高橋伴明の演出。死ぬまでに観ておきたい日本映画の一本。「最終兵器彼女」のときは嫌な感じだったけど、見直したぞ窪塚俊介。
— りんでろんVG (@rinnderon) July 25, 2015
前から気になってた田中裕子主演の『火火』っていう映画観た。最後は涙出た。映画そのものも良かったけど音楽がかなりマッチしてた。これは観てよかったよ。
— 赤坂凊太郎 (@shiro_kuro_nago) August 13, 2013
予想通り、やはり素晴らしい作品のようですね。
ドラマ【スカーレット】の内容も気になりますが、映画【火火】も是非一度見てみたいです!
映画は神山さんの半生を忠実に再現しているのに対し、ドラマは彼女の半生を参考にしたオリジナル作品。
つまり同じ人物をモデルにしていても、作品自体は全く別物になるかもしれませんね。
まとめ
以上、朝の連続ドラマ小説【スカーレット】の名前の由来についてお伝えしました。
スカーレットとはヒロイン川原喜美子が陶芸の窯で燃え盛る炎のように、情熱的な人生を送るという意味合いが込められているんですね。
女性陶芸家の先駆者として駆け抜けていく姿を、ドラマではどのようにして描いていくのか楽しみです。