ドラマ「べしゃり暮らし」とはいったいどういう物語なのか?
最初に気になったのはこのタイトルです。
「べしゃり」とは「べしゃる」つまり「しゃべる」の反対語でしゃべることを意味し、業界用語としても使われしゃべりまくる感じのこと。
つまりこの物語は「しゃべること」がメインの、笑いの頂点を目指す者達の熱い人情ストーリー!
人々の笑いを追求する真剣な姿が様々な視点で描かれ、その姿にグッと引き寄せられいつのまにか感動さえも与えてくれます。
それではさっそくドラマの原作である漫画「べしゃり暮らし」のあらすじネタバレ感想を紹介していきます!
目次
べしゃり暮らしあらすじネタバレ紹介!
主人公は高校3年生の上妻圭右(間宮祥太朗)。
頭の中は常に人を笑わせることしか考えておらず、人に笑ってもらうことに生きる喜びを感じている男です。
学校でもとにかく笑いを求めてボケてボケてボケまくった結果、いつしか学園の爆笑王に!
しかもお昼に自分のトークコーナーがほしいがために、わざわざ放送部にも入る筋金入りのお笑いバカ。
そんな楽しい学校生活を送っている1学期の終わりに、大阪から辻本潤(渡辺大知)という転校生がやってきます。
辻本がめちゃくちゃ面白い奴だとわかると、急に圭右は焦りだします。
しかも辻本は元芸人という経歴の持ち主!
圭右の笑いに対するプライドは異常で、とにかく自分よりも面白い奴が許せません。
その日から辻本をライバル視するようになり、本人の前でボケをかますもなかなかツッコミを入れてくれない辻本にイライラ!
しかし、色々なボケをかましているうちにいつしか辻本も圭右の面白さに気づくようになります。
そんな中文化祭でお笑い大会が開かれることが決定!
辻本は圭右を自分の相方に誘おうとしますが、圭右はなかなか辻本の面白さを受け入れることができません。
でも本当は辻本とコンビを組みたくてたまらない。
つまらない意地を張るのをやめて、ついに圭右と辻本はコンビ名「きそばAT」として大会に出場することになります。
そして初舞台で圭右は初めて漫才をすることの面白さや楽しさを知るのです。
対する辻本も同じ気持ちで圭右のアドリブ能力の凄さに驚きながらも、本気で自分の相方にしたいと強く感じるのでした。
そして圭右自身も改めて本気でお笑いをやりたいと感じるようになります。
しかし、その前に自分の中で解決しなければいけない2つの問題があったのです。
1つ目は自分が漫才をするときに得意としている関西弁!
一見上手な関西弁に聞こえますが、本物の関西人からしてみれば微妙イントネーション違いでネイティブでないとすぐにバレてしまう。
それが逆に面白さを半減させるため、圭右は関西弁を使わない方が良いのです。
しかし、自分でそれをなかなか認めることができず、辻本にも直接言われたことでさらに二人の仲は険悪になってしまいます。
2つ目は父親のこと!
実家は代々3世代も続いている老舗の蕎麦屋で、当然父親は4代目として圭右にも後を継いでもらいと思っています。
しかも父はある事件がきっかけで大のお笑い嫌い!
店内ではお笑い禁止は暗黙の了解で客にまでも気を遣わせる始末。
▼ある事件についてはこちらの記事で詳しく紹介しています!
そんな2つの問題を乗り越え、コンビ名を新たに「べしゃり暮らし」に改名し卒業後は東京のお笑い養成所YCAに通うことになります!
そして「お笑い」を通して様々な問題にぶつかりながらも、人との出会いから多くのことを学び人としても成長していきます。
お笑いとはいったい何なのか?
笑わすためには本当に何が必要なのか?
お笑いの頂点を目指す圭右に待ち受けていたものは……。
べしゃり暮らし物語に影響を与える3つの名言
この物語でグッと胸に響く3つの名言があります。
笑いを求める者達にとってどれも必要なことで、時としてそれは人生においても必要なことのようにも感じます。
おそらくこの言葉の意味を理解している者が「お笑い界」でも「人生」においても成功していくのかもしれません。
楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい!
どんなに辛いときでも笑っていればだんだん楽しくなってくるという意味です。
物語では子供が学校でいじめられて落ち込んでいるとき、蒸発した夫がいなくなった辛い現実を忘れるときなどに使われていました。
無理して笑うことって自分の気持ちを無視して逆にしんどくなるイメージですよね。
でも辛い表情を常に出していたら……確かに全てにおいてマイナス思考になりそうです。
それよりもいつも笑っていた方が楽しい気持ちが生まれるかもしれません。
いつも暗い表情の人より、いつもニコニコしている人の方が一緒にいて楽しいですよね。
笑顔には人を元気にする力があるのだと改めて気づかされます。
▼この言葉をよく使っていた藤川について紹介しています!
本当の天才は才能があって努力できる人
この言葉は聞いただけで納得できます。
世間で天才と呼ばれている人はいったいどんな人物なのか?
天才とはある才能が人よりズバ抜けている人のことを指します。
そのまま何もしない天才と、努力してさらにその能力を高める天才。
あなたならどっちが本当の天才だと思いますか?
やはり後者ですよね。
才能があるのに何もしなければ宝の持ち腐れになることだってあります。
自分の才能を最大限に生かすためには何が必要か?
それは努力!
才能がありながら努力している姿勢は人々を納得させる力があります。
お笑い界のトップに立つ天才達にも同じことがいえます。
陰ながら努力したからこそ人々に認められ、現在の地位を確立できたのではないでしょうか。
お笑いをやるなら自分が楽しまないといけない
この言葉こそまさにお笑いをやる者にとっての真髄ともいえますね。
お客を笑わそうと思って一生懸命やっているのに、なぜか笑ってくれない。
なんで?
お客を笑わせることに必死で、肝心の自分は心から楽しんでいなかったのです。
自分が楽しくないことはやはり相手にとっても楽しくないのです。
そのためにはまずは漫才をする自分達が楽しまないといけない!
楽しんでいる人の漫才は自然と楽しい空気が伝わり、いつの間にか周りも楽しい雰囲気になって笑いが生まれます。
つまり一番漫才を自分で楽しんだ者が一番お客を笑わすことができる!
あたり前のことなのに笑わすことで必死になりすぎて忘れがちになってしまう……。
そもそもなぜお笑いを目指したのか?
「自分が楽しいと思ったから」
その気持ちがお笑いを続けるために一番大事なことなんだと主人公を含め多くの人達が気づかされるのです。
お笑いに限らず楽しむ姿勢は、人生の様々なできごとにおいても必要なことかもしれませんね。
原作のべしゃり暮らし結末はどうなる?
年に1回お笑い界のトップを決めるNMC(ニッポン漫才クラッシック)が開催されることになります。
出場資格は素人からプロ10年目まで様々な人が参加できますが、惜しくもこの大会はこの年が最後。
養成所から選抜メンバーとして選ばれ、圭右と辻本も「べしゃり暮らし」として出場することになります。
1回戦は余裕で突破しますが、2回戦ではトラブル発生!
辻本のファンを装った者が舞台本番中に一番前の席で辻本を動揺させる行動を繰り返したのです。
その結果辻本はネタが飛んでしまう事態に……。
漫才の終盤であったためギリギリ2回戦は通過しましたが、この出来事が原因で圭右と辻本の間にわだかまりができてしまうのです。
「べしゃり暮らし」のボケ担当は圭右、ツッコミ担当は辻本。
このコンビの最大の魅力は圭右の計り知れないアドリブ能力とそれに瞬時に対応する辻本のキレのあるツッコミです。
圭右はいつもアドリブをたくさん入れるので、本番でも台本通りにできません。
それが逆に面白くもなるのですが、圭右が無茶できるのは自分のボケを絶対に拾ってくれる辻本がいてくれるから。
でも辻本がそれができないとなれば、アドリブが逆に致命的となります。
辻本はネタが飛んだのは一時的であったとしても……やはり万が一に備えて3回戦はとりあえず圭右のアドリブを封印して台本通りにすることに。
しかし、それが辻本にとっては納得がいきません。
もっと自分のことを信頼してほしいのに……。
辻本からみて圭右は天才といえる人物……それなのに自分は……。
この頃から辻本は自分と圭右を比べるようになり、自分は圭右にとってふさわしくない相方だと責め続けます。
そして3回戦は完璧に台本通りで望みますが、この選択が命取りとなり結果落選。
しかし、予定より3回戦を突破した者が少なかったため繰り上げで追加合格となります。
なんとか合格してホッとしたのも束の間、圭右は帰り道で交通事故に、しかもあろうことか記憶喪失に……。
命には別状なかったものの、頭を強く打ったことで漫才のことも自分自身が誰かさえもわからなくなってしまいます。
そうこうするうちに準決勝の日は刻々と迫ってきて……。
混乱する圭右ですが記憶が戻らない現状を受け入れ、とりあえず準決勝で使うネタを覚えようと新たに気持ちを切り替えます。
すると今までには考えられないようなことが起こりました!
圭右は今までネタを覚えるのが苦手でしたが、ネタを1回読んだだけですぐに覚えられるようになっていたのです。
しかし、逆にアドリブ能力は失われ少し台詞が変わっただけでも上手く対応できなくなり、アドリブが持ち味だったべしゃり暮らしにとって不足の事態に!
準決勝で勝つためにはどうしても圭右のアドリブは必要不可欠なのに……。
そしていよいよ準決勝を迎えることになります。
自分達の出番がくる数分前に前の組の漫才で観客席から大爆笑が起こり、それを聞いた圭右の中で何かが変わりました!
その瞬間に全ての記憶を取り戻したのです!
しかし、記憶を失っていたときのことは覚えていないので、当然準決勝のために備えた新ネタは頭に入っていません。
べしゃり暮らし最大のピ~ンチ!
あと数秒で自分たちの出番が迫ってきます。
とりあえず辻本は圭右に今の状況を説明し、イチかバチかで舞台に立つことに!
いまいち状況をつかめない圭右はいきなりボケることができません。
この状況を上手く利用して今までツッコミ担当だった辻本がボケをかまして、ネタを誘導していくスタイルに急遽変更することに!
圭右が覚えていない新ネタも辻本がボケることで、台本通りに進めることができるのです。
圭右の持ち味はなんといってもアドリブ能力。
今まではボケ専門でしたが、ツッコミとしても力を発揮できるようにしたのです。
しかも辻本がボケ担当になることで、圭右のアドリブで台本から大きく脱線することも減ります。
べしゃり暮らしはボケが誘導するスタイルなので、今まではどうしても圭右がネタの主導権を握っていました。
いったいどんなネタが飛び出すのか、これはこれで面白いですがツッコむ方は毎回ちゃんとボケを拾えるかハラハラもん!
辻本が主導権を握ることでネタ自体をコントロールしやすくなり、圭右の持ち味であるアドリブも活かすという新しいスタイルがこの瞬間に出来上がったのです。
そして意外にもこのスタイルでの漫才は今まで以上に面白く、客席にも爆笑の渦が巻き起こります。
自分達の漫才を心から楽しみ、彼らにとってこれが最高の舞台に!
べしゃり暮らしは見事勝ち進み、いざ決勝へ……。
物語はここで終わりますが、自分達の漫才を心から楽しいと感じた彼らであれば、優勝してもしなくても幸せな未来が待っているような気がします。
でもできればもう少し続きが読みたかったですね(笑)。
まとめ
以上、原作から最終回結末のネタバレ紹介でした。
ここまでは19巻までの内容ですが、ドラマ化により再び短期連載が始まり2019年9月19日に発売された20巻で完結しています。
内容は最終回の続きから始まり、NMC(ニッポン漫才クラッシック)での決勝まで勝ち進んだ圭佑と辻本のその後の姿が描かれます。
ドラマ【べしゃり暮らし】も楽しめましたが、やはりこの作品の本当の面白さを知りたいのであれば原作を読むことをおすすめします。