ドラマ「ルパンの娘」の原作は横関大さんの同名小説で、泥棒一家娘と警察一家の息子の禁断の恋を描いた作品です。
ドラマでは原作にオリジナル要素が加えられますが、物語の軸となる河川敷で発見された男性の遺体の謎はドラマでも重要な部分として描かれています。
- いったい被害者の正体は誰なのか?
- なぜ手をかけられてしまったのか?
- 犯人は誰なのか?
この3つの要点に絞って原作からネタバレ予測していきたいと思います。
目次
ルパンの娘河川敷の遺体の正体は誰なのか?
遺体の近くには長財布が落ちておりその持ち主は中に入っていた免許証からすぐに判明し、駅でスリに合ったため交番に被害届を出していたとのこと。
遺体は過去に窃盗歴があった人物と考えられ、警視庁のデータベースにある指紋と一致したことにより立嶋雅夫(たてしままさお)75歳であることが判明したのです。
遺体の顔は潰されていたため身元の判別がつきませんでしたが、これにより警視庁に登録されているデーターから遺体の顔写真も明らかになりました。
しかしこの人物は名前と年齢以外は何一つ手がかりがなかったのです。
早くも迷宮入りかと思われましたが、あるひとつの手掛かりを見付けました。
それは立嶋が20年前に働いていた新聞配達店の従業員から、ホームレスになっていたという情報!
目撃された周辺でホームレスを支援している団体に詳しい話を聞いてみると、確かに立嶋雅夫という男性がいることが明らかになりました。
しかし、この被害者の男性と何度か話したことのある担当の職員に遺体の顔写真を見せたところ、意外な答えが返ってきたのです。
「私が知っている立嶋雅夫とは別人である」
いったいこれはどういうことなのでしょう?
▼おそらく考えられる理由はこの2つ
- 遺体は立嶋雅夫とは別の人物である
- この担当者と接触していた別のホームレスが立嶋雅夫という偽名を使っていた
さらに不可思議な点が浮上します。
立嶋雅夫と名乗っていた男性は4ヶ月ほど前から突然いなくなってしまったとのこと。
体調を崩し3日ほど寝込んでしまい仲間のホームレスが心配で尋ねたところ、既に冷たくなっていた様子。
慌てて仲間がこの担当職員を呼びに行っている15分くらいの間に、ダンボールの布団と愛用の野球帽を残して突然姿を消えてしまったのです。
いったいこの男性はどこへ行ってしまったのでしょうか?
普通に考えても弱っているのに自分で動いたとは考えられにくいですよね~。
ますます謎が深まってきます。
ルパンの娘立嶋雅夫がホームレスであったのは間違いない事実
別のホームレスが立嶋雅夫という名乗っていた可能性を払拭させるためにも、まずは遺体が本当に立嶋雅夫本人であるかもう一度確認する必要がありました。
そのためにこの担当職員から立嶋雅夫と名乗っていたホームレスの顔写真を入手したのです。
この顔写真が立嶋雅夫であるとわかる人物はたったひとり。
そうです、被害者の男性の元職場の従業員でホームレスであると証言してくれた人物だけです。
後日もう一度その人物に会って顔写真を確認してもらったところ、やはりこのホームレスの男性は立嶋雅夫に間違いないことがわかったのです。
ルパンの娘遺体の正体は別の人物?
立嶋は冷たくなるまで弱りきっていたとことから、やはりそのまま亡くなってしまった可能性もあります。
ただし遺体は見つかっていません。
現場には愛用の野球帽が残されていましたよね?
毎日かぶっていたともなれば当然被害者の髪の毛もついているハズです。
立嶋の野球帽についていた髪の毛のDNA鑑定をしたところ、河川敷の遺体のものとは別人であるという結果が出たのです。
これによりやはり遺体は別人であることがわかりました。
ここへきてまた新たに2つの重要な手掛かりを見付けたのです!
事件当日被害者を乗せたタクシー運転手の証言
現場から少し離れた場所の防犯カメラにはタクシーの映像が残っていたのです。
このタクシーは現場方向へ向かっており、時間帯もちょうど事件が起きた頃でした。
これは怪しいですね~。
車のナンバーからタクシー運転手の身元を割り出し、事件当日のことを尋ねてみると顔写真から被害者の男性を乗せていたことが判明したのです。
しかもこの運転手はその被害者と顔見知りだったというではありませんか!
さらに被害者の男性は裏の世界では「伝説のスリ師」としてちょっとした有名人であったこともわかったのです。
ただし、名前も素性も一切わからないとのことですが……。
遺体の顔写真と華の祖父の顔が一致!?
ヒロイン三雲華(深田恭子)の恋人桜庭和馬(瀬戸康史)は、ある時期から華が自分にある嘘をついていることに気が付きます。
それは華が住んでいると思われる家は実際は空き家で、華は本当は別の場所に住んでいるということ。
確かにここに昔住んでいたというのは事実ですが、今はどこからどう見ても空き家。
おかしいと感じた和馬は調べているうちに、偶然にも河川敷の遺体とつながるあるひとつの手掛かりを手に入れます。
それは空き家の近所の住人に聞き込みをしてた際に、たまたま遺体の顔写真を見せたところ意外な答えが返ってきたのです。
「三雲家のおじいちゃんの三雲巌(みくもいわお)さん」
えっ?遺体は自分の恋人の祖父?
いきなり自分が調べている遺体の正体が恋人の祖父だったらびっくりしますよね!
しかも伝説のスリ師ともなれば恋人の家族には犯罪者がいることになります。
いくら彼女のことを愛していたとしても、これが事実であるならば一瞬自分達の今後のあり方を考えてしまいますよね~。
華にもこの事実を突きつけると、何も答えないことでより和馬にあやしまれます。
ルパンの娘立嶋雅夫と三雲巌が入れ替わった理由は?
立嶋雅夫と三雲巌が共通点は年齢と背格好です。
立嶋は75歳で巌は76歳と年齢も近く、身長や体つきもよく似ています。
なぜこの二人が入れ替わっていたのか?
それは華の兄である渉(わたる)の証言から明らかになります。
事件が起きる2ヶ月ほど前にハッカーである渉の部屋に突然巌が尋ねてきました。
尋ねた理由は警視庁のデーターベースに登録されている立嶋雅夫の写真と指紋を、自分のものにすり替えてほしいとのこと。
巌は万が一自分に何かあった場合、身元がバレないように身代わりを用意していたのです。
ルパンの娘全ては50年以上前から既に始まっていた!
華と和馬の関係がギクシャクしたことにより、和馬の祖父である和一(わいち)の口から衝撃的な4つに事実を知ることになります。
①華の祖父巌と和馬の祖父和一は大学時代の親友同士
実は華の祖父巌と和馬の祖父和一は大学時代の同級生で親友同士だったのです。
しかも和馬の祖母伸枝も同じ大学で3人は同じ剣道部でした。
伸枝は部のマドンナ的存在で二人は夢中になり一時期は3角関係にもなる中でしたが、最終的には巌が和一と伸枝の仲を取り持つ恋のキューピットに!
それほど3人の絆は強いものだったのです。
しかし、大学を卒業前に巌は自分の家が泥棒一家であることを和一に告白します。
卒業後はお互い真逆の人生を歩むことになったため、昔のように話すようになったのは隠居生活に入ったつい最近のことでした。
②華と和馬の出会いは偶然ではなかった
ある日冗談で「孫同士結婚したらどうなるんだろう」と言い出す巌。
それを聞いた和一も面白がり実際孫同士を会わせようと企んだのです。
わざわざ華の職場の図書館の本を借りて孫の和馬に返しに行かせたのが始まりで、華と和馬の出会いは偶然ではなかったのです。
華の祖父巌と和馬の祖父和一によって最初から仕組まれたものでした。
ただ、本を借りたのは5回だけだったのでその間に二人が恋に落ちたということは、きっかけは仕組まれたものであってもやはり運命であるのは間違いないですけどね。
③華の祖父巌と和馬の祖父和一と祖母伸枝に隠された悲しい過去
伸枝の額には大きな傷があり、実はこれは大学時代に怪我したものでしたが家族にはずっと海で怪我したものだと嘘をついていました。
実は大学の卒業を来月に控えたある日事件が関係していたのです。
剣道部の皆で将来について熱く語り合い、その場には伸枝の姿もありました。
0時を過ぎたので伸枝を帰らせようとしますが、さすがに女の子の夜道は危ないので寮まで送っていくことになります。
本来なら当時から付き合っていた和一が送るべきでしたが和一は話が盛り上がり席を外せない状態だったので、巌が伸枝を送っていくことになりました。
しかし、なかなか巌が戻ってこないので心配して探しにいったところ……二人とも怪我をして倒れていたのです。
巌は突然バス停の後ろから現れた男によって、角材のようなもので何度も攻撃されたとのこと。
犯人の目的は伸枝であり本人も必死に抵抗したが、角材を額に当てられそのまま気を失ってしまったです。
巌は何としても伸枝を守ろうと必死に犯人に食らいついたので、犯人はその場から立ち去っていきました。
もし巌が守ってくれなかったら、もっと恐ろしい事態になっていたかもしれなかったのです……。
巌は伸枝と和一にとって大切な友としてだけでなく恩人でもあったのです。
④遺体の顔を潰したのは和馬の祖父和一の仕業だった
巌は自分に責任を感じ大学卒業後もずっと犯人を追い続けていましたが、ようやく最近になって犯人が誰かわかったのです。
そのことを和一にも伝えひとりで犯人と接触することに。
和一も現場に駆けつけたところあろうことか返り討ちに遭ってしまったのです。
息を引き取る間際で、最後に伝えようとした言葉は自分の顔を誰だかわからなくしてほしい。
巌は伝説のスリ師、最期まで自分の爪痕を残さないようにしたかったのです。
その願いを叶えるべく和一は親友の顔を近くにあった石で潰したという驚愕な事実が判明したのでした。
自分の親友の顔を判別がつかないくらい石で潰すなんて……想像しただけでも恐ろしいですよね。
ここでようやく遺体の顔が潰されていた理由がわかったのです。
ルパンの娘犯人の手がかりはイニシャル付きのハンカチ?
和一は現場から立ち去る前に巌のポケットから形見としてハンカチを持ってきたとのこと。
そのハンカチには「M」というイニシャルが付いていましたが、何かおかしい……。
本当に三雲巌のMなのかどうか……その真相に迫ってみたいと思います。
身元を明かすハンカチを持っていること事態おかしい
そもそも巌が身元を明かすイニシャル付きのハンカチを持っていること事態おかしいのです。
泥棒が自分の名前の付いた物を持ち歩くなんて聞いたことないですよね。
しかも巌は伝説のスリ師であってその道のプロです。
そんな彼が自分の身元を明かすものを持っているなんてやはりおかしい……。
そう考えるとこれは犯人のものである可能性が十分高くなってきます。
普通では亡くなる間際に犯人のハンカチを盗むなんて考えられませんが、伝説のスリ師である彼なら可能だったかもしれません。
犯人は事件担当の警察関係者の人物?
とりあえず河川敷の遺体が発見された夜に現場に出入りした警察関係者について調べることにしたのです。
彼らの中に「M」のイニシャルが付く者で、事件が起きたときにアリバイがなかった者はいたのかどうか。
するとひとりだけそれに該当する人物がいました。
しかもこの人物は和馬がよく知る先輩の巻栄一だったのです。
いったい巌とどのような関係があるのでしょうか?
華の祖父巌が長年探していた犯人と深い関係を持つ人物が真犯人?
この人物を調べていくとある巌とつながるある共通点を見付けました。
それは巻の祖父も巌と同じ大学だったということがわかったのです。
もしかして……そうなんです、伸枝と巌を襲ったあの事件の犯人は巻の祖父である巻英輔!
この事件が全ての始まりであり今回の事件までつながっていたのです。
巌はただ素直に謝ってほしかっただけなのに……。
しかし、英輔はその要求を頑なに拒否しそれでも伸枝への謝罪をしつこく要求されたので、困って相談した相手が孫の栄一でした。
金で解決しようしたもののなかなか食い下がらず、巌のある一言でカッと頭に血が上ってつい手を下してしまったのです。
ルパンの娘華の祖父巌は実は生きていた!
事件は全て解決したかのように思われますが、実はまだ終わっていませんでした。
実は巌は生きていたのです。
そもそも巌はかなり用意周到な人物なので、自分の身が危ないと感じる相手にノコノコ近づきません。
そのために自分とよく似ている立嶋雅夫を最初から自分の身代わりとして狙っていたのです。
弱りきっていたホームレスの立嶋が突然消えた理由は巌の仕業だったのです。
回復した立嶋で何度も巻と接触を試みますが、金に目がくらんだ立嶋は勝手な行動を起こし巌の目の前で手をかけられてしまう結果に!
これは想定外のことでした。
巌も犯人の前で下手に動くと自分の身も危険になるため、とりあえず犯人の手掛かりになるハンカチを盗むことに。
そしてこの事件を利用して、前々から冗談で思っていた自分と親友の孫同士の結婚を本当に実現しようと企んだのです。
泥棒一家の娘と警察一家の息子が本当に結ばれるのか試してみたかったという、老人の遊び心からこの物語は始まったのでした。
まとめ
最初の時点で立嶋雅夫の遺体であることがわかっていましたが、その後の捜査で惑わされた方も多いんじゃないでしょうか?
終盤まで遺体が巌であると思って話が進んでいるのに、最後の最後に巌が生きているという真実を知って頭が混乱するでしょう。
まさかこんな大どんでん返しが待っているなんて……私もすっかり騙されたひとりです(笑)。
ドラマは原作にアレンジを加えた作品になるとのことなので、結末はこの真実+αでいったいどのように描かれるのか楽しみです!